スレート屋根の塗り替え

屋根塗装

コロニアルとかカラーベストと呼ばれるスレート屋根材や、アスファルト・シングル屋根材などは、年数とともに苔・カビ・藻類が繁茂しやすく、そのため水切れが悪くなるなどが起こることから、定期的なメンテナンスが求められます。

スレート屋根の構造

スレート屋根材は下の図のように、下から順次野地板に直接くぎを打ち込んで張っていきます。

上図のように、スレート屋根材は陶器瓦のような重なり部分に空間がありません。

スレート屋根材は野地板に防水紙を介して密着していることから、野地板の結露による劣化が心配されるところですが、その逆に経年劣化で、屋根材にヒビが入ったり、先端が少々欠けたりしても、屋根材の重なり部分が大きいことからそれほど雨漏りの心配が少ないという特徴もあります。

スレート屋根材の塗り替え時の問題点

スレート屋根の塗り替えでは、いつも下図のような問題が提起されることがあります。

上図のような問題提起があることから、塗膜の縁切りを勧める業者、職人が多く存在します。

塗膜の縁切り(タスペーサー)

タスペーサーというのは、下の写真のようなもので、屋根材の重なり部分に差し込んで隙間を設ける、いわゆる縁切りをするための器具です。

タスペーサー

タスペーサーを差し込んだ例

このように隙間を作ることで屋根材内部に入り込んだ水を吐き出すことができるというものですが、必ずしもすべてのスレート屋根材に必要というものではなく、屋根の形状や勾配等によって必要か否かを決定します。

尚、タスペーサーを挿入するには、屋根の面積が5~60㎡から70㎡前後で3万円から5万円程度が必要となります。

スレート屋根材の寿命

そもそもスレート屋根材の寿命ってどのくらいなのかご存じでしょうか?

2~30年前のスレート屋根材にはアスベストが入っていましたので、今より寿命が長く、その耐用年数は40年前後と言われていましたが、その後アスベストの使用が禁止されてからのスレート屋根材は、現在では2~30年前後と言われています。

特にアスベストの使用が禁止された直後のスレート材は、ほとんどの商品が欠陥商品と言えるものに近い材質で、下の写真のようになっている屋根を多く見かけます。

パミール
積水のかわらU

上のような屋根材の塗り替えは、塗り替え以前に屋根に乗れるかどうかが問題です。

パミールの場合は、お菓子のミルフィーユ状になっているので、このままローラーを転がすと、剥がれた屋根材がローラーに絡みつき、うまく塗ることができません。

そのため、剥がれている個所すべてをコーキング剤などで接着してからでないと塗装することができません。

そのほか、上の写真のような積水のかわらU の場合、人間が乗ることはほとんど不可能です。
なぜなら、乗ったとたんにパリパリとせんべいのように割れてしまうからです。

新品のうちでも、よほど慎重に乗らないと割れる恐れがあるので、ほとんど塗り替えは不可です。

等々、この時期のコロニアルなどの屋根材材にはこうした問題を多く抱えていますので、塗り替える前に塗り替えがよいのか、ガルバリュームなどによるカバー工法がよいのか…、などの検討をなさることをお勧めいたします。

塗り替え前のチェックポイント

屋根の塗り替え前の下地調整の一環として、次のようなことに注意が必要です。

上図のように棟板金の釘締めや板金部分のケレン・錆び止め等も忘れてはいけません。
それと屋根材のひび割れの補修も必須です。

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このような下地処理をしたのちに、本格的な塗装工程に入ります。

下塗り

屋根材に浸透して、高硬化する2液形の下塗り剤や、上塗り材の指定する下塗り塗料を使用して下塗りをします。

2液形のエポキシ系のクリヤー塗料下塗り(棟押さえ用板金の釘〆後、コーキング材充填)

中塗り

2液形フッ素塗料中塗り(板金部分は錆止め塗料塗布済み)

上塗り

2液形フッ素塗料2回上塗り

このようにして3回塗り仕上げをしています。

写真の屋根の場合は、タスペーサの必要性がないように思えましたので、タスペーサーは挿入していません。

なお、アスファルトシングル屋根材は溶剤塗料が使えませんので、水性塗料仕上げとなります。